非線形解析学
非線形偏微分方程式で記述されるシステムの数理構造の研究を行っています.
反応拡散方程式を中心とした非線形解析
様々な現象に関連する楕円型や放物型と呼ばれる非線形偏微分方程式,または連立した常微分方程式などの定性的理論を研究しています.固有値問題や変分法といった枠組みを中心に,関数解析などの一般論を用いる方法や,個別的な方法などに興味があります.

ロジスティック成長を伴う反応拡散モデルの定性的理論
本研究は,統計学者であり,生態学者でもあったJohn Gordon Skellamによって,ヨーロッパにおけるマスクラット分布域拡大のデータから,その分布の先端の広がる速度がほぼ一定であるということを,ロジスティック型の非線形項を持つ反応拡散方程式を用いて分析したことに起源を持ちます.単一種の個体群動態に関するモデルについて,個体群動態を巨視的に見た場合の反応拡散方程式が持つ性質に興味を持ち,研究しています.

ネットワークグラフ上の非線形連立微分方程式における解析
ネットワークグラフが持つトポロジーが,連立常微分方程式が持つ性質にどのような影響を与えるかに興味を持ち,研究しています.特に,個体群動態において,個体群をパッチと呼ばれる群衆として捉えた場合に現れるマルチパッチモデルと呼ばれる,方程式が持つ性質についての解析を進めています.