数学教育
広く一般的で基礎的な,職業的・専門的でない普通教育として共通的に学ぶ「数学」の段階から,より高度な普通教育としての「数学」,専門のための「数学」まで,ありとあらゆる場面で数学は登場します.
普通教育における数学と,専門領域における数学の教育課程への提言
学校が終わったら数学は忘れてしまった….しかし知らない数学が出てきたら,どうしたらよいのでしょう?日常でもいろんな数字に出会いますが,どうすれば理解できるのでしょう?本研究室では,3Dプリンタを用いた教材開発,問題解決のフレームワークを学ぶ統計教育の教材開発,そして和算を通して歴史学的な見方・考え方を学ぶ授業設計など,数学教育に関わる様々な研究を行っています.

和算史料を用いた数学と歴史の教科横断的な学習の実践とその評価
近世日本において独自の発展を遂げた数学である「和算」を題材とした授業実践はこれまでも数多く存在した。しかし,和算に関する史料を用いるだけでは,数学的な見方・考え方を活用することはできても,歴史的な見方・考え方を十分に活用できているとは言えず,一方通行の教科横断的な学習となってしまっている.数学・歴史双方向での学びを通して,数学をより深く知るにはどうすればよいか,研究しています.

3Dプリンタを活用したものづくり×数学の教材開発と実践
本研究室では,3Dプリンタを活用した教材を開発しています.測定を通して数学的な問題を発見し,それを解決するような教材を実践しています.この体験が単なる作品訪問的な数学の鑑賞にならず,知的関心という意味で,中学生以上であれば楽しめることを念頭に置いて,教材の開発と実践を行っています.

生成AIを用いた統計学習用教材の開発と実施
問題解決のフレームワークであるPPDACサイクルを取り入れる上で,学習者・教師にとって最も難しい段階は「問題」である.統計的に解決可能な問題を設定するには,対象の関連知識が不可欠であるが,初めて学習する際にその内容に沿った問題を設定することは難しいとされる.学習者が問題を主体的に捉えるためには,真正な学習の場の設定が必要と捉え,生成AIを援用して,統計の学びを中心としたPPDACサイクルを取り入れる授業設計と教材開発の研究をしています.